理系Sの牝奴隷には言えない話
vetのSMに関するいろんな話
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

 私への意見や質問、相談、その他の話などがある場合には、右側の欄の中段あたりにある”管理人、vet宛メール”のところのリンクから、メールフォームにいき、メールを送っていただければと思う。メールフォームは2つ用意してあるが、どちらから送ってくださっても構わない。また、各エントリーのコメント欄に書いてくださってもいいので、気軽に話しかけてくれればと思う。


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前回のエントリー、普段と文体も違うし、分量も大幅に少なかったので、驚かれた方も多いかと思う。

「どうかされたのですか?」という、ご心配をしてくださるメールなんかも頂いてしまった。

別に奇をてらったわけでもないし、私に何か良からぬことがあったわけでもないのだが、どうしても書きたい気持ちが湧いてきて、書いてしまったというのが実際のところで、あとから見るとちょっと照れくさい気もしているが、思ったことを、ある程度、ストレートに、そして簡潔に出せたのは良かったなと思っている。

だから、これからもこういうエントリーがたまに出てくるかも知れないが、あまり驚かないでくださればと思う。

あれも私だし、今までのように書くのも私だから。

ブログを始めてもう2年半以上になるのに、未だに試行錯誤が続いているという、ある意味、私らしいところだと思って欲しい。

そして、今回のエントリーは、今までのように書くので、安心?していただければと思う。


前に、奴隷の性格とそれに対する接し方の話(”強気な奴隷と秘密の心”や”気弱な奴隷と魔法の時間”)を書いたことがあるが、今回もそういう話。

以前のエントリーでは、おおまかに、奴隷の性格を、強気と気弱とに分けて考えたのだが、その分け方で言えば気弱な部類に入るであろう、ある奴隷の性格と、その主従関係に対する考え方のこと。

エントリーの題名を、”雨ざらしの捨て犬”としたのだが、調教の時や、私と接する時に、そういう感じの態度をとっていたことのある奴隷なので、そんなイメージで読んでもらえればと思った。

最近は、捨て犬というのもあまり見かけなくなったようにも思うが、私が子供の頃には、ダンボールに入れられた子犬が、道端に捨てられているのを見かけることがあった。

学校帰りなんかに、何度か、そういうのを見たことがあるし、最後まで面倒を見る気もないのに、その時の”可哀想”とか”可愛い”という気持ちだけで、学校で残してきたパンをやったり、家に連れ帰りたくなったり、したものだった。

最近は、そんな犬を見る機会はなくなったが、それでも、イメージとしては伝わるのではないかと思う。

雨中、捨てられた子犬が、ダンボールの中でビショビショになりながら、弱々しく鳴き、震えているというシーンは、悲壮感をもって頭の中に描かれる。

そんなイメージを抱かせるような奴隷。

気弱な奴隷の話のところでも書いたように、自己主張は殆ど無く、私にされることをそのまま受け入れるというタイプだった。

本当に、抵抗があまりない。

ただ、その奴隷は、気持ちが体の反応に出ていたのだった。

おそらく無意識に反応していたのだろうと思うが、体が震えることがよくあった。

最初は、私に見つめられただけでも震えていた。

触られても、キスされても、抵抗はしないし、「嫌です」とか「やめてください」とか、そういうこともいわないのだが、震えている。

顔も、泣きそうになっている。

だから、一度聞いたことがある。

「お前、俺が怖いのか?」

と。

でも、その奴隷は首を横に振った。

怖いとは言わない。でも、本当に震えているから多分、怖いのだろうと私は思っていた。

「怖い」ということすら言えないのだろうと。

御主人様のすること全てを、そのままに受け入れることが、その奴隷にとっては主従関係なのだろうと私は最初、思っていた。

たとえ、それが恐怖だったとしても。

「嫌です」、「やめてください」といった、直接的な拒否の言葉だけではなく、「怖いです」「痛いです」といった、私の調教に対する、多少否定的意味を持つ言葉ですらも、言ってはいけないと思って、封印しているように見えた。

そうなると、1つの疑問がわく。

なぜ、私の奴隷になどなったのか?ということ。

あまりにも震えていることが多いので、それを聞いたこともある。

「なんで、怖いのに、俺の奴隷になった?」

もう、その奴隷が怖いと思っていることは、私は確信していたから、それを否定していることは無視して聞いたのだ。

「怖くはないです。御主人様が、とても優しそうだったから…です」

奴隷はそう言った。

やっぱり、怖いという感情は否定するのだが…。

私にはそれは信じられなかった。直接的に私のことではないとしても、何かを怖がっていると思えて仕方がなかった。

優しそうだと思って奴隷になった相手(やその行為)に対して、怖いと感じるとするならば、それは最初の想いと、感じている現状が、全く違うということだ。

それは、まずい。

奴隷にする前の、お互いを確認する話し合いが足りなかったのではないか?

だから、

「実際に奴隷になってみたら、違ったか?」

と聞いていた。

もしも、違うということで、思っていた満足感が得られないのであれば、主従関係を解消してやる必要もあるのではないかと思った。

でも、奴隷の答えはそうではなかった。

「いいえ、私の思っていた通りです。御主人様は私の思った通りの方でした。奴隷にしていただけて、とても幸せです」

奴隷はそう言う。精一杯の笑顔で。

「俺の奴隷になったこと、後悔しているわけではないのか?」

「そんなこと、絶対にありません。でも、そんなに私に聞かれるということは、御主人様、私のこと、お嫌いなのでしょうか?」

そんな事まで聞いてくる始末。

この段階で不安気に、泣きそうな顔になっている。

だから、私の奴隷でいたいという気持ちを、かなり強く持っているのはわかるのだった。

でも、それなら、なぜ、奴隷は震える?

私はわからなくなった。

最初の頃に、緊張で震える奴隷は居る。

調教で、何があるかわからないという不安に、震える奴隷も居る。

でも、それは、そのうちに解消されていく。慣れていく。

だが、その奴隷はいつまで経っても震える。

それは恐怖からくるもののように私には思えるのだった。

調教に対して、ある程度の恐怖心というのは、奴隷は持つものだろうと思う。

それでも、一方で、満足や快感があるから、調教というのは成り立つ。

なのに、その奴隷の震えからは、満足や快感ではなく、恐怖だけがあるようにしか思えない。

それではただのレイプになる。

言葉ではちゃんと同意しているから、本当のレイプとは言えないが、私との主従関係に、恐怖だけしか感じないなら同じ事だ。

私は考えた。

この奴隷の恐怖心をどうすれば取り除けるのか?

取り除けないまでも、弱めることができるのか?

でも、考えてもよくわからなかったし、最初は何も思いつかなかった。

だから、恐怖を感じている人に対して、普通にやられていることから試してみることにした。

ただ、抱きしめる。

首輪をつけ、服を脱ぎ、挨拶をして、私を見上げている段階、私に見つめられているだけで、すでに、肩が震えていたりする。

だから、その時に、そのまま奴隷を抱きしめた。

調教というにはあまりにも甘いのだが、もうその時は、奴隷の震えをなんとか止めないとどうにもならない気がしていた。

奴隷は驚いたのだろう。私に抱かれたままで、言った。

「ご、御主人様、何を…」

「抱きたいと思ったから抱いている。文句があるか?」

あくまでも調教の一環というか、私がしたいようにしているだけだと奴隷には言う。そうでなければ、多分納得しないだろうと思ったから。

「文句なんて、そんな事、ありません。でも…」

「でも?なんだ?」

「いえ…。私、これでいいのでしょうか? 御主人様にご満足いただけているのでしょうか…」

「お前の抱き心地は、悪くない」

「そう、ですか…。良かった」

奴隷は本当にホッとした顔をしていた。

それでもやっぱり震えている。私は奴隷を抱きながら、これではダメかも知れないと思っていた。

もう少し、何とかする方法を考えないとと思った。

気弱な奴隷にするように、調教のあとに話をする時間を長くとって色々なことを話してみたりもしたのだが、闇雲に話をするだけでは、この奴隷が恐れているものがなんなのかは、私にはよくわからなかった。

どうすればいい?

そのことで、私は頭を悩ませていた。


次回に続く。

テーマ:主従関係 - ジャンル:アダルト

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[2011/11/07 00:44] | [ 編集 ]
はじめまして
はじめまして。
初コメントさせて頂きます。
今年の夏位から読ませて頂いております。

私は今は20代半ば(会社員)なのですが、10代の頃は言いたいことが言えない、何も拒否出来ない、反論できない、非常に消極的な女の子だったので、気持ちが分かる部分があります。
とにかく我慢する。と言うよりも、それしか出来ない。
よく、強くなりたい、積極的になりたい、言いたいことが言えるようになりたい、と思っていました。
ふと読んでいて、一昔前を思い出していました。
強い女性に憧れていたはずの自分ですが、今では気の弱い女性の方が、女性的だなと感じています。

主従恋愛とは無縁の生活をしている私ですが、vetさんの書く、精神的な部分を読むのが非常に楽しいです。
画像が無いので、唯一読めるSMブログです。

これからも応援しています。

[2011/11/07 20:46] URL | 玲子 [ 編集 ]

>2011/11/07 00:44にコメントくださった方へ
奴隷のことを考える、ということももちろんですが、それは多分、自分のことも考えているのだと思います。
奴隷がM性を満たされ、心が満たされるということは、それを施している私も同時に、S性を満たされ、満足しているということになると私は言えると思います。
Sだけが自分の欲望をただ満たせばいいということもあるのかも知れませんが、奴隷のM性を満たせない場合、その関係は遠からず崩れると思います。単純に、私は好きな奴隷と別れたくない気持ちがありましたので。
そして深く理解し合った信頼関係を持った時のお互いの快感や満足感、幸福感というのは、更に大きくなりますから、そういうことも考えると、やっぱり奴隷のことを考えないというのは、私にはあり得ないことでした。奴隷のことをしっかりと考えて接すれば、それはちゃんと自分に返ってきますから。
もちろん、奴隷には言いませんが、本当に好きな相手ですから、そういうことがなくても何とかしたいというのは、自然に湧いてくる気持ちでもありました。どちらが大きかったのか?というのは私にもよくわかりませんが…。
でも、これは、私に限らず、ちゃんと奴隷のことを考えてしっかり付き合っていこうと思っている御主人様なら、方法や表現の仕方は違うかも知れませんが、誰でも思っていることだと私は思います。

この奴隷に関して、素敵だと言ってくださって嬉しいです。本当に素晴らしい奴隷でしたので。


>玲子さん
はじめまして。ブログ読んでくださってありがとうございます。
玲子さんは、以前は消極的な感じだったとのことで、共感していたける所があったのは嬉しく思います。
今の玲子さんは、そういうことはないのでしょうか?
20代半ばで会社員をされているとのこと、仕事についたことで、自己主張を求められる場面も増えると思いますから、自然に強くなってくるのかも知れませんし、ご自身でも強くなりたいと思っておられたということは、そういう努力をされたのかも知れませんね。
自分を変えるというのは、なかなか難しいことですよね。私も私自身に関しても思いますし、今回書いたような奴隷を見てきても思います。

女性的ということでしたら、気弱なタイプの性格は、そうかも知れませんね。昔からある女性というもののイメージに当てはめるなら、そうなるだろうなと私も思います。
ただ、魅力という意味では、気の強い女性も、気の弱い女性も、それぞれに良い所がありますし、それぞれの性格での女性らしさというのは、あるのだろうと私は思います。

玲子さんは、主従関係とは無縁とのことですが、それでも私のブログを読んでくださっていることは本当に嬉しく思います。精神的な部分に興味を持たれているのですね。私はもともと、主従関係時代の自分の気持ちを整理したくて書き始めたので、その時に思っていたこと、心の動きとか、また、主従に関する精神論とかが多くなりがちでSMブログとしてはそれっぽくないのですが、それでも楽しいと言っていただけると、とても励みになります。

画像がないのが良かったですか。
実は、私は奴隷と別れたときには、調教の時に撮った写真は全て破棄することにしているんです。奴隷があとから写真のことで心配な気持ちにならないようにと思いまして。だから、思い出が写真として残っていることは無いのが寂しくもありますが、それで奴隷がその後、何の憂いもなく、新しい生活を始められるならそのほうがいいと思っています。
もしも、仮に写真があったとしても、ブログに貼るつもりも、その必要性も全く感じないですが。

コメントありがとうございます。また気軽に話しかけてください。今後とも、よろしくお願いしますね。

[2011/11/08 19:17] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 以前に飼っていた牝奴隷とのことを書いているブログ。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴る。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

 リンクフリーなので、気に入ったら、好きにリンクしてくださればと思う。言っていただければ、私からもリンクするので、そういう意味でも気軽に声をかけてもらえれば幸い。

 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

 続き物の話は、エントリーの題名に第何話という番号が書いてあり、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●最初の奴隷
 ●二匹目の奴隷
 奴隷と私とのストーリーを読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムは、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●四方山話:1エントリーでひとつの話
 ●四方山話(続き物):複数エントリーでひとつの話
 短い話を気軽に読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムの中でも、SMの技術的な話だけは別にしてある。それは、
 ●SM技術
にまとめておいた。技術的なことに興味のある場合には、こちらを読んでもらえればと思う。

 カテゴリの記事は古い順に並べてあるので、カテゴリ名をクリックしてもらえれば、続き物の記事でも最初から順番に読めるようになっている。


  当ブログ内に書くことは、私が実際にやってみたことや考えたことであって、それが正しいかどうかを完全に検証したわけではない。だから、もしも同じことを試す場合には自己責任で、細心の注意を払って実行して欲しいと思う。SMなので、体への損傷などの可能性もなくはないから。とにかく気をつけて欲しい。そして、このブログ内のことを試して、いかなる不利益が生じたとしても、私、vetは免責されることとする。そのことはしっかりと承知した上で読んでもらいたい。
 奴隷のためにも、そして御主人様のためにも、本当に無茶なことはしないで、幸せなSMを楽しんで欲しいと願っている。

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